一流のスポーツ選手が考えるメンタルの強さとは何か?
困難な目標を達成するためにはメンタルの強さが必要になります。
強いメンタルがあることで
- プレッシャーの中でも高いパフォーマンスが発揮できる
- 忍耐強く取り組むことができる
- 失敗しても立ち直りが早い
- 自分の中に自信を持つことができる
といった感じで、どんなに困難な状況でも目標に向かって前進することができるわけですね。
そこで本稿では、スポーツ心理学の研究(*1)を参考に、
- 一流のスポーツ選手が強いメンタルを手に入れるために、どのような考え方をしてるのか?
についてお話ししていきたいと思います。
一流のスポーツ選手とメンタルの強さ
この研究(*1)では、オリンピックまたは他の世界大会で1位を獲得したことがある超一流のスポーツ選手8名と、コーチ3名、スポーツ心理学者4名に、スポーツ選手に必要なメンタルの強さとは何か?をインタビューしています。
これらのインタビューをまとめた結果、メンタルの強さには4つの分類で13の要素があるということ。
姿勢・考え方に関するメンタルの強さ
1. 自分を信じる
困難目標でも努力を続けることで達成できると確固たる自信を持つこと。そして、目標達成までの道のりで壁にぶつかってもそれらを乗り越えることができると自信を持つことが大切ということ。努力と小さな成功体験を積み重ねることで、自信は高まっていくと。
2. 集中する
スポーツを最優先にして、人生をスポーツに集中させること。長期的なゴールに向かって、短期的な利益は犠牲にできること。また、生活とのオン/オフの切り替えを上手くすること。
トレーニングに関するメンタルの強さ
1.長期的な目標をモチベーションにする
長期的なゴールからモチベーションが得られること。最終的なゴールに魅力を感じていないと挫折する確率が高くなってしまいます。一流のスポーツ選手は短期的な限られた時間で何ができるのかも自覚していて、全ての練習や試合をステップアップで長期的な目標の達成につながるように計画しています。
2. 環境をコントロールする
天気や対戦相手のことなど自分にコントロールできないことは気にしない。逆に自分のパフォーマンスや成長については、自分でコントロールできるものだと自覚して、コーチなどの周りのせいにしないこと。トレーニング環境で自分でコントロールできる部分については、あらゆることからアドバンテージを得ること。
3. 限界まで追い込む
トレーニングでは自分の限界に挑戦すること。トレーニングの辛さを受け入れて愛すること。他の人が避けたがる最も辛い練習に取り組むことで差をつけること。トレーニング相手がいる場合は、相手に打ち勝つこと。
試合に関するメンタルの強さ
1. プレッシャーに対処する
メンタルの強いスポーツ選手はプレッシャーや不安を悪いものとは考えずに、自分のパフォーマンスを向上させるために使うこと。試合のプレッシャーを楽しむこと。予期せぬ出来事に動揺しても、自分のパフォーマンスを発揮することに集中すること。
2. 自分を信じること
試合の場でも自分の勝ちを信じること。圧倒的に不利な状況であっても、勝ち筋がある限り決してあきらめないこと。ミスをしても動揺せずに前を向くこと。
3. パフォーマンスを制御する
ウォーミングアップから徐々にギアを上げていって、試合の最も良いところでパフォーマンスのピークを発揮できるように調整すること。
4. 集中する
対戦相手や観客などの外部の刺激に惑わされずに、最終ゴールを達成することに集中すること。勝ち負けの結果だけに集中せずに、ペース配分や試合の戦術などそこに至るプロセスにも集中すること。
5. 思考や感情をコントロールする
自分の思考や感情を客観視することで、頭の中で邪魔になる考えや感情があることにすぐに気がつくこと。「自分は今こんなことを考えてしまっているな」と客観的に距離をとって思考や感情と向き合うことで、冷静に対処することができる。
6. 環境とコントロールする
試合は常にベストな状態で挑めるわけでなく、なんらかしらの問題はつきものなので、前向きにそれらの問題に対処して、自分にできるベストな環境を作ること。
試合後に関するメンタルの強さ
1. 失敗から学ぶ
失敗しても長く落ち込んだりはせずに、失敗から学んですぐに立ち上がること
2. 成功したら次の挑戦へ
試合で成功した場合でも、長い間浮かれてしまわないように、すぐに区切りをつけて次の挑戦に向かうこと
まとめ
本稿では「一流のスポーツ選手の考えるメンタルの強さ」についてお話ししました。
まとめると、一流選手がメンタルを強くするために必要だと考えていることは、
- 自分を信じること
- 最優先にしてリソースを集中すること
- 長期的なゴールをモチベーションにすること
- 自分がコントロールできるものに集中して、トレーニング環境を整える
- 限界まで追い込むこと
- 試合のプレッシャーを楽しむ
- 最後まであきらめない
- 試合中のパフォーマンスを調整する
- 試合に集中する
- 思考や感情を客観的に対処する
- 試合環境をコントロールする
- 失敗からは学んで、すぐ立ち直る
- 成功は祝って、すぐ次に挑戦に向かう
ということですね。
一流の選手曰く「メンタルの強さは上下しつつも時間をかけて徐々に高めていくことはできる」ということ。なので、上記のリストを意識して実践していけば、徐々にメンタルは強くなっていくかもしれませんね。自分の苦手なものを重点的に意識してみるのも効果的だと思います。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1: A Framework of Mental Toughness in the World’s Best Performers